2005年12月14日

池澤夏樹さん訳の「星の王子さま」ようやく自分の中で読了した気持ちになったのでちょっとだけ。現物は自宅トイレの棚私は職場。

 いやー毎日寒いですねー。 ようやく風邪が一段落してちゃんと仕事できるようになったらっきーです。 いや自分なりの「ちゃんと」ですが(^_^;)。
 実は今月頭から、テンプレートのリニューアルと同時にカテゴリも1つ増やしてたんだよね。 もともと本の虫で小さい頃から濫読とゆーか新井素子さん風に言えば「読書に淫する」ところがあってその功罪ともばっちり自分の身で引き受けてる感のある私なんだけどここ10年ぐらい文学作品より実用書に目がいってて寂しい気持ちはしてたんだ、ということで何でもいいから本についてぐだぐだ話すカテゴリを・と作ってはみたものの風邪だの職場パニックだので全然書いてなかったさ(^^;)。

 さて「星の王子さま」。 今更言うまでもない児童文学の名作として誰でも必ず名前ぐらいは聞いてるだろうし多分ほとんどのヒトの家にあのシンプルな装丁の本があったのでは。 サン=テグジュペリ作、内藤濯(あろう)訳という変わった名前が2つ並んだ下に王子さまの絵がある表紙のインパクトは子供心に大きくて、私も買ってもらってから何度読み返したか分からない。
 …けれど忘れているものなんだなぁ、最後に読んでからたっぷり30年近く経過しているけれど今あの本について思い出せるのは本当に断片的な内容といくつかの言い回ししかない。 それでもその寓話とも言い難い不思議さが何故か心に残っていて、リチャード・バックの「カモメのジョナサン」と共に大好きな本の1冊だった。

 今回池澤訳(敬称略)を読んでようやく分かったのだ、あぁこの話は児童向けではなかったのだな・と。 内藤訳は格調高かったけれど子供には難しい部分もあって、しかも語り手は砂漠で遭難したボクなのだけれど主人公は星の王子さまだから話の流れも掴みづらい。 そして自分で描いた箱の中のヒツジが見えなかった大人のボクにしかこの話は語れないのだ、なんか胸の中にすとんと理解が落ちてきた感じ。 好きなお話を好きな作家さんに訳してもらえて私は幸せだ(*^_^*)。
 あ、ひとつだけ注釈を入れると原題の"Le Petit Prince"を「小さな王子さま」ではなく「星の王子さま」と訳したのは内藤氏の英断であり、これは池澤訳にも注記の上で踏襲されている。 他にどう変えようもない名訳だと思うので池澤氏は正しい。

 個人的に池澤訳の白眉はキツネが王子さまに語る「大切なことは、目では見えない」という言葉だと思う。 このシーンは物語の中でも重要な部分なのだけれど、内藤訳では確か(記憶違いだったら本当にごめんなさい)『大切なことは、目には見えない』となっていた。 これも素敵な言葉で、事実私は以前ユニークな掲示板システム”掲示板的コトバ宇宙「−宙」”に参加してた時にこのフレーズをアイキャッチ(宙の名前の下に入れる文章)に使っていたのだけれど。

 あ、目を使っても見えないけれど、大切なことは他の手段で「観える」のだなぁ。 そしてソレは多分「心で」などと言い古された手段ではなくキツネ風に言うと「大人に説明するのは面倒だけど簡単な手順の積み重ねで」可能なんじゃないかと。 いや氏の意図とは全然違ってるかもしれないから信じないでね(^^;)。
 他にも物語を流れる雰囲気が池澤訳では鮮明に感じられる。 黄色いヘビとの最初の会話、私は忘れていたのだけれど今朝ぱらぱら読み返してようやく話が繋がった。 鈍なるかな我。
 作中のボクと同じように作者は砂漠に不時着して生還した経験を持つが、最期はその6年後だったか飛行中に消息を絶って死亡したことになっている。 あるいは「ボク」は彼のヘビに会ったのかもしれない、そして王子さまの星へ行ったのかもしれない、そう思うと少し楽しい。

 断言してしまおう、これは子供向けの本ではない。 子供の目を忘れない、忘れたくない大人のための本であると。 多分児童文学の多くがそうであるように。


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 なんか無駄に語っちゃったな、余計な雑音はさておき素敵な訳なのは間違いないので小さなお子様をお持ちの方々は自分(と将来の我が子)のために1冊お求めになって楽しまれると良かろう。 取りあえず珍しくも平日お昼のエントリはこんなところで。 いや他にもついうっかりこーゆーのを衝動買いしちゃったりと話題はあるんだけどまたあとで〜。
posted by らっきー at 15:09| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 文字媒体全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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