2006年01月20日

寒くて曇天、少しイギリスを思わせる気候の中「プライドと偏見」を観てきたのでごく個人的な感想+衝動買いのご報告(またか)。

 さて、行ってきました有楽座。 秋葉原で乗り換えようと総武線車内から外を見てたら錦糸町の楽天地(駅前にある同名の複合施設ビルの映画館)の壁にでかでかと「プライドと偏見」の看板が(^_^;)。 ありゃ、ひょっとして今やってる?と迷ったんだけどもし予告だったら困るし、と予定通り有楽町まで行くことに。 ココに載ってた通り座席はゆったり豪華で金曜昼間のせいか3割ぐらいの入り(9割方女性、年配者多し)で他のグループと隣り合わないように座席指定券売ってたから本当に良い環境で多分映画館選択としては悪くなかったんだろうけど400席って案外小さいねぇ、真ん中より少し前買っちゃって内心「あたしゃ視力いいから画面に近いと疲れないかなぁ」と思ってたんだけど画面も思ったより小さくてちょうどいい場所だった(^^;)。 次があるかもしれないからメモっておこうJ列6番。

 さて13:10〜の回、10分前ぐらいに入ったんだけどほどなくスクリーンが開いて映像が出てきたと思ったらCMやら予告編やらが延々大轟音で流れてきてあたしゃ途中で気が狂いそうになったさ(前にも書いたことあるけど興味の無い大音響ほど私を弱らせる環境は無いね改めて思い知った、いやスタジアム観戦時の大騒ぎは好きなんだけどワケ分かんないドタバタアクションとかスリラー映画とかの宣伝されたってあたしゃ絶対観ないぞ無駄無駄)。 あまりにも長いので途中でこっそりケータイの時計を見たら13:27ってオイ(^_^;)、呆れて眩暈がしてきたらようやく始まった。 静かなイギリスの風景。 一気に引き込まれる。

 もしかしてこれから観たいヒトがいるといけないので詳しいネタバレはしないけど、5人姉妹の次女を演じる主人公エリザベス役の女優さん(名前はキーラ・ナイトレイ、プログラムによればイギリス生まれ20歳)があまりにも美人なのでそっちばかり見とれてしまった。 美人というとありきたりな描写だけど端整で知的、意思を感じる目元に陶器の人形みたいな透き通る美しさが印象的で眼福眼福。 もともとジェーン・オースティンの原作が大変有名な上に何度か映像化もされているらしく、エリザベスもお相手のMr.ダーシー(あっ「ミスターと言えば」だ!・昨日のエントリ参照)も昔から世界中の読書好きに愛されてきたキャラクターなので今回の出演は光栄であり昔からの強い希望だったとのこと、最初あまりにも美人すぎるとの理由で監督に躊躇されたものの元々が口の達者な現代っ子、必死の売り込みでこの役をゲットしたらしい。 凄いねぇ。

 さてダーシー役はこちらも全然知らなかったんだけどマシュー・マクファディンという俳優さん。 正直ハンサムじゃないけど演技の陰影とも言える雰囲気が素晴らしい。 顔は全然似てないんだけどハリポタ映画のスネイプ先生に通じる影がある・と思ってたらやっぱりシェイクスピア劇団のヒトなのだそうだ、さもありなん。 多分このヒトの顔の無骨さをもう少し皮肉っぽさに置き換えたらダーシーそのものなのだろう(笑)。 あぁ好きだなぁこういうタイプ(ダーシーのキャラクターも、この役者さんの雰囲気も)。

 それに比べたら彼の友人で長女ジェーンに恋するMr.ビングリー役のサイモン・ウッズはハンサムだが少し彫りが深すぎてお人よしっぽく見えないのがタマに瑕だな、まぁハマっているとは思う。 財産目当ての不実な男Mr.ウィッカムを演じるルパート・フレンドは甘いマスク系のすっきりハンサムで、ドラマスクール在学中に舞台でダーシー役を演じたこともあるという役者さん。 キーラ・ナイトレイと組ませるとあまりに分かりやすい美男美女でビングリーとジェーンの恋がかすみそうだから今回はこの役で良かったのかも(^^;)。

 そのジェーン役はロザムンド・パイクという女優さんでなんと007シリーズ「ダイ・アナザー・デイ」でボンドガールの1人だったらしい、17へぇ。 豪華系美人じゃなくて暖かく誠実なやや年長役っぽい容姿がジェーンに合っているかどうかは意見が分かれるかも。 その他女性陣はイメージ通りの人たちが演じていたんだけど1人だけ、ビングリーとジェーンの仲を裂きたい彼の妹キャロライン役でほぼ最初から出てくるケリー・ライリーという女優さん(別の映画に出た時のインタビューに写真を発見)があまりにも最近の鈴木紗理奈に似ているのでどうにも庶民派っぽく見えてしまって困った(^_^;)。 あたしゃ図形認識能力に難があるのかねぇ(昔から私が似てるって言い張る2人物について他人が同意してくれる確率は極端に低かった・笑)。

 映画のテーマは「成人女性が社会的生活を送るには結婚するしかなかった18世紀末のイギリスで上流階級の下層に生まれついた主人公とその姉をめぐるロマンス」なんだけど、相手の気持ちに自信のある姉は内気ゆえに自分の想いが伝えられず周囲に仲を裂かれ、皮肉屋な相手への関心が嫌悪から発した妹は誤解に囚われ彼からの告白に反発するものの気になるばかり。 当時の社会情勢を反映した中にも自分の意思をはっきり表示するエリザベスは大変魅力的なキャラクターである。 それに気付かないダーシー(と彼女の父親…多分)以外の男は馬鹿だねぇ(^_^;)。

 とにかく半裸いちゃいちゃ果てはベッドシーンの横行するラブロマンスものが多い昨今の映画界にあってさすがに時代のせいかこの映画での恋愛の描かれ方は大変に慎ましい。 舞踏会で大勢の人が踊りまくっているのだが1対1で組む社交ダンスではなく列を組んで相手の胴体にはほとんど触れずに踊るスクエアダンスだしジェーン組もエリザベス組も愛を語らう場面はちょっとあってもキスシーン1つ無い(ただし後者は寸止めの映像があるので物語内では多分その後キスしているのだろうと推察される・公式サイトにもその画があるよ)。 イギリスらしい雄大で綺麗な朝もやの風景の中で繰り広げられるこのシーンはとても美しく、大変ドキドキしてしまった。 やっぱりこういうのが好きだな私は。 絵のような(picturesqueという素敵な単語がある)イギリスの景色の広がり、空気の流れ、色づかい、時に早口時に搾り出すような機知や情感いっぱいの台詞の数々、適切な字幕(戸田奈津子さん、色々言うヒトもいるけどこの話は彼女の字幕で良かったと思う)。 

 というわけで(多分一番熱烈に支持するのは私のような田園系ロマンス物語大好き夢子さんだと思うけど)あっという間に2時間が過ぎ、静かに満足しつつ帰ってきた。 もちろん東京駅で甘栗を買うのは忘れなかったが、パンフレット600円也を読んでいるうちに猛烈に原作で読みたくなり、ジェーン・オースティン女史の8作品が1冊になっていると書いてあるこんな本(それにしちゃページ数少なくないか?あたしゃ「エマ」の邦訳も持ってるけど文庫2冊分だぜ)やらダーシーの立場から書かれたサイドストーリー的側面を持つこんな本(もちろん書いたのは別の人。1999年出版だがAmazonで見ると評価は高い)とか注文してしまったよ(*^_^*)。 あぁ好きだなぁダーシー(現実には絶対いないタイプ)。

 というわけで久しぶりに文学少女に戻った午後。 イギリス女流作家の話はアガサ・クリスティまで大好きな私だけれどもちろん昔のアメリカやカナダを舞台にした物語も本当に好きで、その代表が「赤毛のアン」で有名なルーシー・モンゴメリ女史を筆頭にした作家の作品群なのだけれど(同系列のお話は本当に山ほどあってどれもいまだに愛読書である)今回は1つだけ紹介しておこう。
 モンゴメリの"Blue Castle"という物語。 たまたま本屋で他の本と一緒に見かけて買ったのだけれど「カナダの旧家で鬱々と暮らす29歳の女性がある事件をきっかけに真の自我に目覚めて幸せになる話、もちろん素敵なロマンス付き」だ(笑)。 寝る前に少しずつ読もうとペーパーバックを枕元に置いて数日は実行したのだが、物語が急展開を迎える頃から止まらなくなり結局ある日に夜中じゅう読み進めてしまって気付いたら朝になっていた(^_^;)。 どこかで買えるかな・と検索してみたらあらら、邦訳あったのね知らなかった!(あたしゃ田舎のコドモだったんだよ)
 もし赤毛のアンや可愛いエミリーや丘の上のジェーンや銀の森のパットが大好きなヒトがいらっしゃればもう本当におすすめ、というかそういう人は多分もう読んでると思うけど、とにかくこの話は展開も描写も素晴らしく良くできてて心から楽しめること請け合い。 中学生以上のお嬢様を持つ親御さん方にも如何かな(^_^)/。 氷室冴子さんが昔「マイ・ディア−親愛なる物語」という題でこれらの少女小説を紹介する本を書いてたけどもちろん私もそれを読んで頷いていた少女の1人だったよ(昔のハナシだ昔の)。

 以上、全然映画の感想になってないかもしれないけど何故カテゴリが「文字媒体全般」なのかと言うと多分私が本当に書きたかったのは後半部分だからだろうねぇ(他人事)。 美は観るものの目に宿り物語は読むものの頭に紡がれるのさ。 ということでいつもの金曜夜の喧騒が戻ってくる前に私の中の小さなオンナノコは巣に帰る。 おやすみなさい。





 おまけ。調べたらやっぱり錦糸町の楽天地でも今日上映されてたー(がーん・情感ぶち壊しの補足)。でも映画ってちょっとお出かけして観るものだよね、そうだよね?
posted by らっきー at 20:08| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 文字媒体全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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