2006年12月13日

ひたすら睡眠不足の解消に努めた冬の一日。外は雨らしいのだが外出もせず。居間で眠るダンナがつけてたTVからオフコースの歌が流れてきて顔を上げた。あの歌がきこえる。

 NHK総合、毎週水曜22:45〜23:00「あの歌がきこえる」という番組だった。 佐野史郎さんの寸劇の後に視聴者からの投稿を元にした漫画形式で曲の思い出が語られる、短い番組だ。 今までにも何度か観たことがある。
 OFF COURSE、コースを外れて・という意味を持つそのグループは私の中学〜高校時代の紛れもない一部だった。 友人が大ファンで、彼女の情熱に引っ張られるようにして紹介された彼らの曲はその切ない明るさと真摯さ(つまりは若さということだ。今なら分かる)で私を惹きつけたのだ。 そして歌詞が綺麗だった。 分かりやすい美しい言葉で綴られる心象風景をメロディーに乗せて口に出すと、自分もその中に居るように感じられた。 高2の時、同居していた祖母と些細な喧嘩をして父の職場の寮の使われていない部屋に居候していたほんの短い時期、集中して勉強するには全然適さない生活感のない広いリヴィングの片隅に縦回り式のレコードプレイヤー兼カセットテープレコーダーを置いてラジオのクラシック番組をエアチェックしたりDave Grusinの「Night-Lines」に浸ったりしていたのだけれど、ちょうどその頃オフコースの「The Best Year of My Life」というアルバムが出て何度も何度もそれを聴いてたことを思い出す。 今でも大好きな"緑の日々"(歌詞はココ)、あぁこの悲しいまでの若い意思はどうだろう。

 今日の放送で取り上げられていた"生まれ来る子供たちのために"も当時からずっと好きだった曲の1つなので口ずさみながら番組を観始めたのだが、投稿者は産婦人科の医師だった。 卵巣がんの再発で化学療法を受ける若い女性の主治医になった彼が、忍耐強く治療に耐える彼女と接する中でこの曲を知り、自らの進む道の指針となるメッセージを受ける、そんな話が漫画の形で紹介される。 子を持つどころか夏をも待てない自分の命の限界を知りつつ、婦人科の病室から新生児室の前のガラス窓まで出かけていって生まれたばかりの赤ちゃん達を観ていた彼女に「愛するひとを、子供たちを守ってあげてね」と歌詞を引用されたことを今でも(この歌が世に出た頃に新米医師だったとしたなら既に五十路であろう)覚えている彼の思い。

 自分が何を生み出す手助けをしているのか、もう一度考えさせられる内容だった。 番組が終わると共にあれこれ考えてしまって、結局更新しない予定だったのに今こんなエントリを書いている。 綺麗なもの、素晴らしいもの、壊れやすいけれどとても美しいもの、そんなものを少しでもまだこの世に生み出す手助けができるのだなぁ、と、自分の幸運を改めて思う。
 日常の忙しさやストレスにかまけて忘れきってはいないか、この職に就いた時に抱いた誓いを破ってはいないか、そう自問してみる。 大事なのは自分がそれを心に持ち続けること。 我々が人を癒しているのではない、癒されるきっかけを作りそれを手伝うのが我々の仕事だ、だから誠心誠意が必要なのだ。 忘れてはいけない。

 うーん、あたしゃやっぱり綺麗なものが好き。 それ以外のことはお偉い方々に任せておいて明日も自分のできることをするんだ。 何だか少し心が軽くなった気がしたところで今夜はおやすみなさい。 Still lovin' this world...
posted by らっきー at 23:57| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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